業務内容紹介

 一般X線撮影、マンモグラフィー(乳房X線撮影)、X線透視検査、CT、MRI、RI(核医学検査)などの検査部門です。放射線科専門医、診療放射線技師、放射線室看護師で構成されています。

 全国学術大会や研究会などに参加し、放射線科専門医を中心に、より精度の高い診断につながるよう撮影技術・知識を研鑚しています。また、患者さまの被ばくを診療放射線技師が適正に管理しています。
 撮影機器においても日常点検を行っておりますので、安心して検査をお受けください。

 一般X線撮影以外の検査は予約検査になりますが、緊急検査が必要な方は優先して検査を行いますので、各検査を予約されている患者様でも時間通りに検査できない場合があることをご了承ください。

撮影機器紹介
一般撮影検査について

 放射線を使用した検査の中で最も行われる検査で、一般に「レントゲン」と言われれば一般撮影検査を指します。
 X線発生装置はCanon Medical Systems社のKXO-50SSを使用しています。
 X線検出側はFUJIFILM Medical社のFPD(Flat Panel Detector)とCR(Computed Radiography)の2種類が導入されており、即時に画像をデジタル化し画像サーバーに転送することで、タイムラグなく各診療科が診察を行うことができます。
 被ばくをいかに少なく綺麗で正確な写真を撮影するかを念頭に、技師同志で情報共有しながら技術を研鑽しています。

マンモグラフィ撮影装置について

 当院の装置はFUJIFILM Medical社のAMULET S(アミュレットS)です。
 この装置のX線検出器は、変換効率のよい直接変換方式で、パネルは2層構造のa-Seで形成されています。
 読み出し方式にはDirect Optical Switching technologyを採用しており、電気ノイズの低減と画素サイズ50μmを両立させています。
 また、新しい画像処理技術を搭載しているので、大胸筋・乳腺・スキンラインを自動識別しダイナミックレンジを解析した上で、適切な濃度とコントラストに調整します。これは、ポジショニング(胸筋量)に左右されにくく、被写体ごとに最適な画像処理が可能になる機能です。
 デジタルマンモグラフィCADにも対応しており、微小石灰化や腫瘤など、がん患部の特徴を示す関心領域を自動的に検出し、ViewerにCAD結果を表示させ、読影業務支援を行うようになっています。

X線透視検査について

 装置はCanon Medical Systems社のXEXIRAを導入しています。
 X線透視検査室では、各診療科が色々な検査・治療を行います(総胆管結石の治療・腸閉塞の治療・気胸に対しトロッカー挿入など)。
 また、整形外科では脱臼整復術や神経根ブロックなどを行います。
 なお、当院では全脊椎撮影や下肢全長撮影も本装置で行っており、低被ばく且つ迅速に撮影することが可能です。

CTについて

 当院の装置は320列ADCT(Canon Medical Systems社Aquilion One Vision Edition)です。
 胸部検査で約3~4秒、胸部~骨盤腔の検査で約7~8秒の息止めで検査が終わります。
 広範囲をより速く撮影ができるようになったことで、CoronaryCTA(心臓の冠動脈撮影)では1心拍での撮影が可能となり(当院旧64列CTでは6~7心拍で撮影)、繋ぎ合わせのない最高の画像を作成することができ、胸痛・胸部違和感などがある患者様の冠動脈精査や、心臓カテーテル治療後の患者様の経過確認検査などを、循環器内科医師の指示のもと行っています。
 CT検査は被ばくが問題になりますが、この装置はAIDR 3Dを搭載しており、画像の質を落とさずに最大50%のノイズ低減と、75%の被ばく低減効果を実現しています。
 また、開口径78㎝の大きさがある為、日常検査の適応範囲拡大と共に、救急撮影などの様々な検査でアクセス性や操作性を向上させています。

MRIについて

 MRI検査は磁場と電磁波を利用し人体より発生する信号を画像化する検査で、臓器や血管の形状だけでなく、脂肪成分の有無、炎症、液体成分の性状など様々な情報を画像化することが可能です。
 当院の装置はIngenia1.5T(PHILIPS社製)が稼働していますが、本装置の主な特徴は「開口経70cm」と「デジタルコイル」。
 開口経が大きくなることで空間的なゆとりができ、患者様の不安感を低減できると考えています。また、広くなることでポジショニングの自由度が大きくなり肩や膝など四肢領域で安定した撮影に繋がっています。
 デジタルコイルは生体からの信号を受信し、そのままデジタル化することが可能です。従来のアナログ信号伝送と違い、伝送経路でのノイズがなくなることで画質の向上に繋がっています。
 磁場強度は、強い信号とムラの少ない安定した撮影を両立できる1.5Tを採用しました。これにより緊急検査やMRI対応ペースメーカーを装着している患者様の検査まで幅広く対応します。

血管造影室について

 血管造影室では専用の装置を使い、造影剤を血管に注入しながら診断・治療を行っています。
 心臓専用機はオランダPHILIPS社のAllura Clarity FD10が入っており、急性心筋梗塞・狭心症などの検査・治療に使われます。
 搭載されているClarity IQテクノロジーは、高画質を維持しながら最大73%の被ばく低減に寄与し、被ばくを最小限にした検査・治療を行う事が可能です。
 また、心臓専用機の周辺には、32ャンネル生体情報記録装置・血管内超音波装置など、さまざまな機器が充実しています。

 全身機はCanon Medical Systems社Infinix Celeve-i(INFX-8000C)が設置されており、頭部・胸部・腹部・四肢などの全身血管に対応するFPDサイズとソフトを備えています。
 InfinixにはPureBrainが採用されており、Super Noise Reduction Filter(SNRF)によりX線量を増やすことなくノイズを低減できる為、鮮やかな透視・撮影像を得られます。
 全身機では、ペースメーカ植え込み術、肺塞栓症の血栓溶解療法、下大静脈フィルター植え込み術、下肢動脈閉塞の形成術、透析シャント狭窄部の形成術、外科的手術術前の腹部血管造影(マッピング)、肝細胞ガンの治療(肝動脈塞栓術)、外傷による腹腔内出血の出血源塞栓術、膀胱ガンの薬物動注療法など、多種多様な検査・治療に対応しています。

RIについて

 RIとは放射性同位元素の略で、施設によっては核医学検査やアイソトープ検査などと呼ばれています。
 体内にごく微量の放射線を出す放射性医薬品を注射し、放射性医薬品の体内での分布状態や時間的変化から、臓器の働きや機能を評価し病気を診断する検査です。
 代表的な検査は負荷心筋血流シンチグラフィー・骨シンチグラフィー・脳血流シンチグラフィーなどですが、その他たくさんの検査法があり、目的に合わせて検査を行っています。
 また、去勢抵抗性前立腺癌の骨転移に対して226Raを用いたRI内用療法も行っています。
 I検査による放射線被ばくは検査の種類によって違うものの、0.2ミリシーベルトから8ミリシーベルト程度です。他の検査と比べてみると、胸のレントゲン写真で約0.01ミリシーベルト、胃の透視で約3ミリシーベルト、CTで約10ミリシーベルト前後の為、RI検査が他の検査に比べてたくさん放射線被ばくをするわけではない為、他の放射線を利用した検査と同様、安全に受けることのできる検査です。
 当院の装置はSYNBIA E(Canon Medical Systems社製)が稼働しています。各種コリメータも取り揃えており、正確な薬の分布状態や時間的変化を評価できるようになりました。
 RI室では、核医学専門技師が中心となり安全で質の高い検査を提供できるよう取り組んでいます。

骨シンチグラフィー

検査の目的

 全身の骨に異常がないかを調べる検査です。骨の病気を早期に発見するためや、治療の効果を調べることができます。

検査までの時間

 注射したRI薬品が全身の骨に集まるのを2時間待ってから撮影します。

検査前にすること

 検査直前にトイレに行って排尿していただきます。これにより膀胱に溜まった余分な薬がなくなり、きれいな写真を撮影することができます。

撮影所要時間

 撮影時間は30分~40分程度です。ベッドの上で寝ているだけの簡単な検査です。

脳血流シンチグラフィー

検査の目的

 脳の各部位にどれくらいの血液が流れているかを調べます。脳血管障害や精神疾患などが主な目的です。

検査までの時間

 注射したRI薬品が脳に集まるのを30分程度待ってから撮影します。

検査前にすること

 RI薬品を注射してかから撮影までの間、ベッドで安静にしていただきます。

撮影所要時間

 撮影時間は20分程度です。ベッドの上で寝ているだけの簡単な検査です。

3D-SSP解析

 脳血流シンチグラフィーで撮影した患者様の脳血流情報を3D-SSPと呼ばれるソフトで解析します。3D-SSPには、各年代、性別ごとに正常な脳血流データを基にした、基準脳血流情報があります。患者様の脳血流情報と基準脳血流情報とを比較解析します。この解析により、脳のどの部分に血流異常(血流が悪い部分)があるか、立体的かつ解剖学的にわかりやすく表示できます。

負荷心筋血流シンチグラフィー

検査の目的

 心臓の筋肉への血液の流れる量や心臓の機能を調べる検査です。

負荷検査とは

 負荷検査では、安静時(休んでいる時)と負荷時(激しく運動している時)を比べます。心臓に薬で負荷をかけ運動させ、心臓の筋肉の血流や心臓の動きに異常があらわれるかを調べます。安静時では問題なく機能していても、運動状態になると血液の量が足りなくなり心臓の働きに障害がでることがあります。

検査までの時間

 薬剤注射で心臓に負荷をかけながらRI薬品を注射します。20分後に1回目の撮影をします。それから心臓が安静状態になるまで3時間待ちます。もう一度RI薬品を追加注射してから、2回目の撮影をします。

検査前にすること

 RI薬品を注射してから撮影までの間にチョコレートを食べていただきます。これにより胆嚢に溜まった余分な薬が腸に流れて写真をきれいに撮影することができます。

撮影所要時間

 撮影時間は1回目、2回目それぞれ20分程度です。ベッドの上で寝ているだけの簡単な検査ですが、撮影の間両手を頭の上にあげていただきます。

骨密度測定装置について

 DXA法という測定方法で高精度、短時間撮影、低被ばくを実現した高性能の全身用X腺骨密度装置です。
 検査はいたって簡単で、撮影台の上に仰向けに寝ていただき、約5分間の撮影で腰椎および大腿骨頚部の骨密度測定が可能です。

背中が曲がってきたのは"歳をとったせい"。そう思っていませんか?

「背中が曲がってきた?」「背が縮んだ気がする」「最近腰が痛いな」
 でもこれは年のせいだろう。そう思っていませんか?これらの症状は、単なる加齢のせいではないかもしれません。いくつかの原因が考えられますが、そのうちの一つに「骨粗しょう症」が挙げられます。痛みを感じる方もいますが、そうでない場合もあるので、気づかずに過ごしている方がとても多いのです。

骨粗しょう症は、骨がスカスカになる病気です。
 骨がスカスカになると、荷物を持ち上げる、尻もちをつくなど ちょっとしたことで背骨は潰れてしまいます。
 「転んだりしていないし、痛みはないから大丈夫」と思っていませんか? 骨粗しょう症によって骨がスカスカになると、 自分の体重に背骨が耐え切れなくなって、気づかないうちに背骨が潰れて「いつのまにか骨折」してしまうことがあります。

あなたは大丈夫?自分の"骨密度"を知っていますか?

 骨の代謝は女性ホルモンと密接に関わり合っているため、 女性では閉経後から急激なカーブを描き、骨密度は 低下していきます。また、75歳以上の女性の3人に1人は 骨粗しょう症であるといわれています。
 早期であれば食事や運動など生活習慣の改善で骨量減少を遅らせることができます。閉経後、一度ご自身の骨密度がどの程度なのか、知っておくことをおすすめします。

測定結果ってどう見るの?

 「同じ年齢の人と比べて何%くらいか」という数字を 気にしている方が多いように感じますが、骨粗しょう症 の診断は若い人の骨密度を基準に行ないます。
 一般的に25~30歳が骨量のピークとされており、 その基準と比較した割合で骨密度の評価を行います。

 ◎ 80%以上:正常
 ○ 70~79%:骨量減少(要注意)
 ● 70%以下:骨粗しょう症(要治療)

ご存知ですか?FRAX

 FRAXはWHOが作成した骨折リスク評価ツールであり、 インターネット上で公開されています。
 骨密度のみならず、多くの因子が骨折リスクに関わっています。
 骨粗しょう症ガイドラインでも推奨されている評価ツールですが、日本ではまだまだ一般的には普及していない現状です。
 ご家庭で質問項目を入力することで簡単に結果が算出されます。
 また、当院でもすぐに算出することも可能ですので画像診断部までお気軽にお問い合わせください。